カウンセリング、心理面接を始めてすぐに悪くなる人がある。この場合、考えられることは、カウンセラーに会って自分のことを話したことによって、つまり自分の本当のことにかかわり始め、内面にある本ものが出てきている可能性がある。今まで抑えていたものも一緒になって一挙に出てくるので悪化するように見えるのである。これにクライエントが耐えて、カウンセリングを続ければ好くなる可能性が出てくるし、耐えられないとしばらくいろいろな試みをしながらも、断続的に通うことになるだろう。
不登校の子どもはさみだれ登校がまったくの不登校になってしまうかもしれないし、発熱や反抗がもっと悪化するかもしれない。このように何らかの反応が起こっていることは良いことだと思う。
不登校の場合、対人不安が強いのでカウンセラーと会うことにも抵抗を示すかもしれない。そのような場合は親と子の会話さえもうまく行っていないことが多いから、母と子の対話から始めなければならない。延々と遠い回り道を覚悟しなければならないだろう。
このように難しくなるので、心理面接を始めてすぐに少し改善する方が良いかというとそうでもない。実際はその方が予後が悪いのではないかと思う。すぐに良くなるというのは問題が浅いレベルでしか出ないわけだから、長期的には効果が余りあがらないだろう。
私たちの心の問題の解決は、問題あってのことである。解決よりも問題をはっきりさせることそれが大切だと思う。答えは問処にありというわけである。解決の目標よりも当面している問題の本質を探すことがカウンセリング、心理面接の課題である。