10月10~12日ご近所のみなさんとご一緒に志賀高原の紅葉狩りに行ってきた。素晴らしい紅葉をお天気に恵まれ堪能することができた。
10日7時半に家を出て、発哺のお茶の水女子大学の体育施設についたのは2時過ぎだった。長野から志賀高原への直通バスに乗り、上林温泉まではどこに紅葉があるかと疑ったが、これより山岳道路になりますという標識の辺りから黄色の紅葉が見え始め、上に上がるに連れ赤い紅葉が陽にあたって美しく輝いて見え感動した。
天気予報によると11日は雨で宿に閉じ込められるはずだったから、宿について荷物を置き、お天気の良い今日のうちにと思って発哺から東館山のゴンドラに乗り上に上がった。そのゴンドラから見た紅葉は素晴らしかった。ダケカンバの黄色のなかに美しい紅葉があって、日光が当たると特に美しく感動した。下りはオリンピックの滑降コースの出発点にある三好達治の詩碑を見て高天原にリフトで下った。このコースは高天原のゲレンデを下るので紅葉はないが、雲の晴れ間に遠く北アルプスも望むことができた。幸いにも発哺への最終バスに間に合うことができて宿に無事帰ることができた。お宿の管理人さんの説明では紅葉の盛りにはちょっと早いけれど、このくらいが一番良いということだった。ちょっと足りないものは最高のものに優るというユングの言葉が思い出された。
2日目は雨のはずが、素晴らしい青空になった。奥志賀高原へバスで行き、広いスキーゲレンデをゆっくり登った。高山植物園の上にある一本のブナの木のさらに上まで上がったところに赤い紅葉がダケカンバの中にあって、空の青と黄色と赤と緑の彩りに感動して降りてきた。ゲレンデの下のブナの木の木陰で風に吹かれ横になってしばし休んだ。
やがて昼になり、皇太子ご夫妻がお出でになったというホテルで昼食をとった。そのホテルは内部が主に無垢の木造でとても上品であった。皇太子ご夫妻がお泊りになるにふさわしいホテルという感じがした。
午後は奥志賀から蓮池まで下り丸池、琵琶池、蓮池と池巡りをした。特に琵琶池の紅葉が素晴らしかった。本当に来て良かったみんなが感動した。その夜は談話室で遅くまで話をして終わった。
夕方まで素晴らしいお天気だったので星空を見ようと思って外に出ると小雨が降っていた。携帯のお天気を見ると雨である。しかし、明朝6時には晴れと出ていた。その予報はピタリと当たって、明るくなる頃には快晴になっていた。
3日目は奥志賀高原ゴンドラに乗って上に上がった。この日から志賀高原の紅葉まつりで奥志賀高原ゴンドラが動いた。
ゴンドラから見た紅葉は素晴らしかったが、ゴンドラの終点は殺風景なところだった。そこら焼額山のゲレンデを下りると、初めに小さい池があって美しかった。小さい池だからそこが稚児池と思ったら、それは名もない池で、そこから優しい感じの枯れ草の草原となっているゲレンデをゆっくり上まで登った。枯れ草のなかにまだ秋の花がひっそりと咲いていた。
人は少ない。ゲレンデの端に荷物を置いて登って行くことにした。上から下ってくる人に聞くと頂上はすぐそこだという。その言葉に励まされて登って行くと林に囲まれたなかに稚児ヶ池があった。山の頂上の池である。そこは静かで美しい池と湿原が広がって、心やすまるところだった。ぜひ見ていただきたい。
下りながら気づいたけれど、焼額山の上の方のナナカマドは葉が落ちて赤い実だけになっており、少し下るとまだ葉っぱのなかに赤い実が見えた。標高差2,3メートルでこんなにも気温の差があるのかと驚いた。下に見える山々の黄色はまだ少し足りない。しかし、これが真っ黄っ黄になったらすぐに葉が落ちてしまうに違いない。紅葉の盛りはほんの一日二日ことに違いない。やはり少し足りないところが見頃なのだろう。ゴンドラの下りで見た紅葉は赤と黄色が陽の光に輝き最高に美しかった。
念願の志賀高原の紅葉を見ることができて、これで心残りの一つが感動のうちに終わった。雨に閉じ込められるはずが快晴となり、ご近所のみなさんのお蔭できつい池巡りをすることができた。この旅も良い出会いだった。人生は良い出会いに満ちていて欲しい。