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檀渓心理相談室を引き継ぎました。

 長谷川泰子

 

 新たに檀渓心理相談室の室長となり、相談室を引き継ぐことになりました。

 私に相談室をやらせて下さいとお願いしたのは昨年の5月、西村洲衞男先生がホスピスに移られる少し前のことでした。檀渓のスタッフとして20年ほどここで仕事をしてきましたが、西村先生が闘病の前から「檀渓がみんなの活躍の場となって続いていってくれるとうれしい」と言っていたのを聞いていましたし、先生がこの相談室を大事にしていたのもずっと見てきました。先生がいた空間、先生が使ったものを残して、ここで仕事を続けていきたかったのです。先生は「よろしくお願いします」ととても丁寧に言ってくれました。

 先生は今後の檀渓について「自由にものが言える場にしてほしい」という希望を出されました。檀渓の玄関には先生の大事にしておられた「真実不虚」という言葉が書かれた色紙が、先生がいた時からずっと飾ってあります。仏教の言葉で、読み方、解釈の仕方は様々なようですが、先生はいつも「真実は虚しからず」と読んでいました。「自分自身の真実、本当のことが分かればそれでいい、それが安心感の源だ」と話しておられたのをよく覚えています。

 

 私も他のスタッフ2人も、西村先生が最後まで自分自身の“真実”を大事にし、そこから逃げず離れず、自分を貫いて生きていった姿を直接見てきました。自分の真実、本当のことにひるまずに、勇気をもって歩いていきたいと思います。