事例の概要

 昨年5月に熊本で日本臨床心理士会主催の研修会が予定されていました(実際はコロナの影響で中止)。その案内が3月に来ましたが、西村先生はここで発表をする、といい、発表の申し込みに必要な文章を書かれました。それがこの「事例の概要」です。

 発表の申し込みのためには規定の形式に則って文書を作成する必要があり、実際に提出したものは、ここに示した文章を修正したものです。

 コロナの影響で学校は休みになっていた頃で、熊本に行くと聞いて驚き、心配もしたのですが、西村先生は一旦言い出したら簡単には後には引かないようなところがあり、心配だからといって止めることはできないと感じました。なにより熊本は先生の出身地で、しかも研修会会場はご実家のあった場所の近くとのことで、先生の行きたいという気持ちも分かります。これに参加する、と研修会の案内を笑顔で渡されたのも印象的でした。

 西村先生は昨年の2月末ごろから檀渓心理相談室内での研究会にも参加していました。声を失われたので筆談でのコメントです。先生が書かれたものを見てパソコンに入力し、それをスクリーンに映し出していました。以前と変わらない先生らしい鋭いコメントで参加者の満足感も高く、先生ご自身もこのやり方に十分てごたえを感じていたようでした。研修会もこのスタイルで発表するとのことでした。

 

 

 なお、文章の途中、ところどころ読みにくいところがありますが、先生が書かれた文章そのまま、修正はしないで掲載します。ただ“X先生”については実際には実名が書かれていましたが、ここでは伏せました。

 

 

 

 

事例の概要

 昨年『師との出会いとセラピストAの成長』と題して事例発表を行ったが、その準備を終えたとき、荒野の草むらから一等の雄ライオンがこちらに向かってくる、絶対絶命という夢を見たと付け加えましたが、指定討論のX先生は何もコメントをくださいませんでした。

 しかし、その後、雄ライオンに襲われるように喉頭がんと咽頭がんになったのです。普通二つのがんに80歳を過ぎて罹患するともう歳ですねと見限られるところですが、見舞客のあまりの多さに驚いた医療スタッフは私を何としてでも私を助けなければならないと思ったらしく。全力を尽くして手術し、私は一命をとりとめることが出来た。そして今の私がここにある。

 その後私は夢の心理学の理論を自分なりに打ち立て、夢を支えに生きている。

人に限らず生きとし生けるものはすべてたましいに支えられて生きている。夢はたましいからのメッセージであると考えてい居る。

 夢に法て生きれば人生が開けて来るという考え方である。夢の解き方は簡単で、自分の中に浮かんでくる自分の神の声、つまり、夢を聞いた時のインスピレーショで解けば良いという、これまた簡単な理論である。そのことを今回は、自分のがん罹患体験を事例として発表したいと思います。