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腰痛になりました

長谷川泰子

 

 布団の中では何ともなかったのに、起き上がったとたんに腰に激痛を感じ動けなくなりました。それからはもうよちよちとしか歩けません。今まで経験したことのない痛みです。寝転がって丸まっていれば多少はいいけれど、仰向けにまっすぐに寝ようとすると激痛が走ります。その日は痛みで熟睡できないまま翌日の朝を迎えました。

 てっきりぎっくり腰かと思ったら、そうではないのだそうです。日曜日の朝の出来事で、その日は何もできないまま痛みに耐えてただじっとしていただけでした。翌日朝に診てもらったところ、筋肉が固くなっておりそれが良くない、痛くても動かした方がいいと言われました。「ここ2週間ぐらいの間で、この症状の人がとても多くなっているんですよ」とのことでした。季節の変わり目に体調を崩す人が多いとブログに書いたとたんに、自分もこうです。

 カウンセリングの仕事をしていると、どんなことも心理学的な見方をしようという姿勢が身についてしまいます。今回のようなことがあると、なぜこういうことになったのか、自分自身の最近の生活・生きる姿勢・こころのあり方をあれこれと振り返ることになります。

 先日、スタッフ全員で檀渓心理相談室の面接室を改めて整理しました。檀渓心理相談室は以前はマンションの3階と2階の部屋を使って開業していましたが、私が相談室を引き継ぐことになり、現在の201号室で3人のスタッフで再出発をしました。以前3階の部屋で使っていた箱庭の道具などはずいぶん前に今の相談室内に運び込んであり、少しずつ整理はしていましたが、先日、改めて棚を置きなおしたりして、運び込んだものをすべて納めたのです。部屋を整えたら、立て続けに新規の相談申し込みがあり、そのことにもびっくりしました。いよいよだとスタッフとも話をしていました。

 このホームページもようやく形ができあがってきました。西村先生のブログを旧HPから移し始め、先週の土曜日にはスタッフとの勉強会の後に新しいホームページのアドレスを設定しなおしました。そのことでもいよいよという気持ちが強くなりました。そしてその翌日の朝に腰に激痛が襲ったのです。

 西村洲衛男先生は「腰痛は責任を感じたときになる」と言っていました。重いものを支えようとするからなるというのです。ある人に腰痛になったと話をしたところ「腰痛がきたということは室長になったということですね」と言われました。それまで激痛に苦しんでいたが、そう言われてなんだかうれしいようなほっとしたような気持にもなりました。腰痛の苦しさを前向きにとらえられるような気がしたのです。この体験は檀渓心理相談室を引き継ぐためのイニシエーションの一つなのかもしれないと思うと、黙って受け入れるような気持ちも出てきたのです。

 痛みは強いけれど動かないと良くならないと言われて、よちよちと歩きあれこれやるようにしています。するとみんなが心配していろいろと手助けしてくれます。今の自分の立場も同じことなのかもしれません。まだまだよちよち歩きで素早く動き回ることはできないけれど、自分のスピードでゆっくりとスタートすればいい、カッコつけずに手伝ってもらえばいいのだとも思うのです。