西村洲衞男先生が2020年4月に書かれたものです。
聖書は西村先生の愛読書の一つで、長年使い込んだ分厚い聖書のあちこちのページにたくさんの付箋が付けられていました。聖書について何か書いていただけませんかとお願いしたところ、以下の2つの原稿が送られてきました。先生のSVや分析を受けた人中心にこの原稿を配布しました。
20年以上前に、西村先生の夢分析の講義を聞いたことがありますが、その時にも聖書からの引用がいくつかありました。創世記のヨセフの話(創世記37、40、41章にあるヨセフの話の夢解きの話など)を例にあげて、夢分析について解説されたのを覚えています。
研究会の時などにヨセフの話を例にあげることがたびたびあり、「先生はヨセフの話がお好きなんですね」と聞いたことがあります。「とても分かりやすい」とおっしゃっていました。
最初の「聖書を読む」は2020年4 月22日のもの、その次の「出エジプト記」は4月26日のものです。残念ながらこの2回で終わってしまいました。
読みにくいところがいくつかありますが、以下、先生からいただいた原稿をそのまま掲載します。
聖書を読む
永遠の生命を生きるキリストは私はアブラハムの時代からあったと言った。
アブラハムと言うにとはどんな人物であるかを見ると、彼は神に召命された人である。召命されたということは神が命ずれば、自分の子どもされ生贄今日することを意味する。古代のマヤ文化では、荒ぶる神を鎮めるために子供を生贄に供したことが知られている。アブラハムも神の命ずるまま我が子を生贄にしようとした。しかし、偶々近くに 鹿が現れて、その鹿の我が子の代わりにすることが出来た。
召命された人と言うのは神の意志のまま動かざるを得ないのである。
旧約聖書には、比較的に早く夢が現れてくる。
アブラハムはゲラル滞在中に妻サラのことを「これは妹です。」と言ったので、ゲラルの王アビメレク使いを使いをやって、サラを召しいれた。その夜、夢の中でアビメレクに神が現れてい言われた。
「あなたは，召しいれた女のゆえに死ぬ。その女は夫のある身だ。」
アビメレクは、まだ彼女に近づいていなかったので、「主よ、あなたは正しい者でも殺されるのですか。彼女は妹だと言ったのは彼ではありませんか。また彼女自身も「あの人は私の兄です」と言いました。わたしはまったくやましい考えも不正な手段でもなくこのことをしたのです。」と言った。
神は夢の中でアビメレクに言われた。
「わたしも、あなたがまったくやましい考えでなしにこの事をしたことは知っている。だからわたしも、あなたがわたしに対して罪を犯すことがないように、彼女に触れさせなかったのだ。直ちに、あの人の妻を返しなさい。彼は預言者だから、あなたのために祈り命を救ってくれるであろう。しかし、もし返さなければ、あなたの家来も皆、必ず死ぬことを覚悟しなければなならない。」
このようにアブラハムは召命を受けたものであるが、母親の違う妹を妻として、違った土地に住んだので間違いが起こり、人の夢に神が現れたのである。召命された人は夢は見る必要がないけれど、人間には神は夢を通じて現れることをアビメレクの夢は明らかにしていると言える。
夢を通じて現れるという考えが、創世記第37章から突然現れる。
以下、それについて解説する。
出エジプト記
時代はヨセフの時代からはるかに下り、ヨセフのことは忘れ去られ、ヨセフの末裔は荒野で羊飼いをしていた。
モーセが羊を追っていると、突然目の前の柴が燃え上がり、神が現れ、民を率いて元の土地に帰りなさいと言った。
モーセはあなたは何と言う神ですか、人々に説明するために教えてくださいというと、神は「私はある」という神であると言った。私はイスラエルの人々が元の地に帰ることが出来るように導いてあげると言った。
モーセはこの神との出会いで、神と会話しているところが興味深い。
モーセは神との会話が出来て、生きていくためのルール作りをする。モーセの１０戒を始めとし、様々な生活の決まりが神の教えで出来ていく。
モーセ以後の人々はすべて末永く、神が作った生活規範で生きていくことになった。
それは賢者ソロモンが夢を見るまで続いた。
ソロモンは、「あなたの民を正しく裁き善悪を正しく判断することができるように、このしもべに聞き分ける心をお与えください、そうでなければ、この数多いあなたの民を裁くことが、誰にできましょう。
主はソロモンのこの願いをおよろこびになった。
神はこうこういわれた。
「あなたは自分の長寿を求めず、富を求めづ、また敵の命を求めることなく、訴えを正しく聞き分ける知恵を求めた。見よ、わたしはあなたの言葉に従って、今あなたに知恵に満ちた賢明な心を与える。あなたの先にもあなたの後にもあなたに並ぶものはない。わたしはまた、あなたが求めなかったもの、富と栄光を与える。生涯にわたってあなたと肩を並べうる王は一人もいない。もしあなたが父ダビデの道を歩むなら、あなたの長寿をも恵もう。」
ソロモンは目を覚まし夢だと知った。
ソロモン王の栄華は続き、長寿を全うした。