箱庭療法について

 どこかの講義で使われたと思われる資料です。短い資料ですが、箱庭に対する西村先生の考え方が示されているものだと思います。最終更新日は2014年5月9日となっています。

 

 

箱庭療法について

西村洲衞男

 

 

1 箱庭療法について

箱庭療法というけれど、これは療法ではない。箱庭

森田療法や行動療法は療法である therapy

箱庭には心の世界が現れるので、意味としては世界技法(ローエンフェルト)

弘中正美著『遊戯療法・箱庭療法をめぐって』(誠信書房2014)

 

2 箱庭の用具

適当な大きさの砂箱とミニチュア玩具(アイテム・パーツ)

自然の砂 細かく手触りの良いもの できれば適度に湿らせると造形が出来る

 

3 箱庭の見方

砂箱はドラマの舞台である。気に入った玩具を適当に並べると、そこに物語が出来てくる

箱庭の情景は一幅の絵というより、ドラマのある世界である

 

4 世界の出来方

世界は全体として統一されていることが望ましいが、統一されるとその先の変化がない

変化がなければ進歩はない、統一の後には破壊が必要である。

一枚の絵が出来る前にいくつもの習作があるはずである

 

5 人に見せる、見せない

作るときは人がいない方が作りやすい

出来上がってから人に見せる

自分のために作って秘蔵する⇒いずれ先生か神様に見てもらう

家族で来談される場合は全員に作ってもらい、相互に見て写真を撮ってもらう、どこで家族の相互理解と話合いが発展することを願う

 

6 中心の有無

中心は自分の象徴化?

自分の心のなかを見ると大方空っぽである。自分の中には知識や思いでが詰まっている

自分とは、父親、先生、男、恋人、庭仕事の人、運転手、料理人、お客、・・・

 

7 箱庭は心の器

人は箱庭に現れたような心の世界を持って生きていて、それはあの世まで支えとなる

箱庭が変わると生き方が変わる

 

 

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