「心理相談の経験から」というタイトルで保存されていた文章です。最終更新日は2010年11月19日です。
はがきに印刷するような形式で保存されていました。パンフレットなどにしてどこかに配ろうと作られたものなのかもしれません。
子育てについて―心理相談の経験から
檀渓心理相談室 西村洲衞男
1 幼稚園から小学校に上がる子どもたちは親元を離れ、知らない子どもたちの中に入って行かねばならない。知らない子どもたちと仲良くなることは大変な仕事です。対人関係を作る能力が必要になります。アスペルガー障害や発達障害では対人関係が問題です。
2 対人関係を作る能力は親との愛着関係が基礎になっています。新しい状況に適応しようとするときは特にお母さんに甘え、べたべたとして、要求がましくなります。お母さんに要求しべたべたとすることによって、友達にもべたべたとくっつき、要求して付き合うことができるようになります。
3 大きくなって社会に出たとき一番必要なのは対人関係の能力です。対人関係の能力がないといくら勉強ができ、運動ができてもそれは生かされないのです。
4 人間関係の中で大切なのは人格です。人格の力を養うことは勉強や運動より大切です。
5 人格の力は自分の世界を持つこと、自分の経験から学び、素直で誰にもわかる、間違いのない判断力を持つことです。
6 人格の力は自由な遊びの中で伸びる。そこにしっかりした大人の見守りがあると、人格の力はさらにしっかりしたものになる。
7 子どもの心理相談では遊戯室で遊戯療法を行います。毎週45分位カウンセラーに相手してもらって自由に遊ぶことが重要。
8 いじめへの対処法:子どもに厳しいしつけをしないで可愛がってあげる。可愛がられて育った子どもたちは外で可愛がられ、厳しく育てられた子どもは外で友達に厳しくされ、いじめたりいじめられたりする。
9 親の愚痴は子どもにはこぼさない。親の愚痴の聞き役をさせられた人は自分の心が育っていません。
親の喧嘩を見て育った子どもたちも同様です。
10 親の問題は友達やカウンセラーに話をして自分の問題として取り組むと子どもは解放される。