箱庭療法における表現内容の解釈

 「箱庭 セミナー資料」というタイトルで保存されていた文章です。最終更新日は2009年8月21日です。先日「ポアンカレ法」という文章を公開しましたが、このセミナー資料でもポアンカレについて触れられています。また以前公開した「ソウルセミナー 資料」(最終更新は2016年)は箱庭療法について詳しく書かれていたセミナー資料でしたが、そこでもポアンカレについて触れられており、西村先生がポアンカレの考えを非常に重視していたことがうかがえます。

 

 

箱庭療法における表現内容の解釈

西村 洲衞男

 

1 従来の箱庭療法

・できるだけ自然な流れの中での箱庭表現を尊重する

・箱庭制作においては必ず立ち会って行う

 

2 問題解決的深層心理療法

・箱庭制作は半強制的に行う <箱庭を作らせる>

・クライエントが真に当面している問題を明らかにする

・無意識の心は常にクライエントの生きようとする姿勢に対してフィードバックを行なおうとしていると仮定する。

・もしクライエントの問題の立て方が正当であれば、それに対して無意識から回答がくると考える。 

 ポアンカレ法 

 無意識の自我は意識の自我が抱える問題に対して解答を用意する。それは天の啓示のようにあるとき突然やってくる

・無意識からの解答は自然発生的なイメージとしてとらえられる

・自然発生的なイメージを捉える方法は夢、もしくは自由遊び的に行われた箱庭制作である。 

 ちょっとおかしいと思うような箱庭を作ってください。

・ちょっとおかしな箱庭を自分の満足が行くように制作することはエネルギーのいる作業である

・できた作品についてのコメントはできるだけ控える

・箱庭の連続制作 最高1日に10回 檀渓心理相談室では1日5回まであった

・夢をとる 夢を1週間分記録させる

・夢と箱庭では出ているテーマが異なることがある

 

3 箱庭の見方

・箱庭に現れた世界をクライエントの内的な世界、あるいは、外界の認知像として見る

・一つは内的世界の認知像

・もう一つは外的世界の認知像

・箱庭に表現されたイメージはクライエントの心理的生活空間と考える

・地上、地下、分割された領域相互の関係、空想や衝動・本能の認知

・自己像の位置づけ 母なるものとの関係(自分が住む家)

・表現のまとまり

・空白部分の位置と広さ

・箱庭に現れたイメージからクライエントの当面している問題を考える。

・箱庭に現れていないものからクライエントの当面している問題を考える。

 

 

 

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