長谷川泰子
毎週ここにエッセイを書くことを心掛けていてはいるが、今度は何を書こうか、特に書くことが思いつかないこともある。今回がそうで、どうしようかと思っているときに、面接室の机の上においてあった石にたまたま目が行った。前室長の西村先生がどこかで手に入れたものだろう。5~6センチぐらいの黒曜石だ。それを見て、ふっと「石の上にも三年」という言葉が思い浮かんだ。
考えてみると、この檀渓心理相談室を引き継いでから約3年になる。3年前に引き継いだばかりの頃はまだプレイセラピーで使うおもちゃなどを段ボールに詰めたものが山積みになっていたし、ホームページもきちんと整備していないままだった。いろんな人の気遣い・お手伝い・支えでなんとかここまでやってきて、本当に「石の上にも三年」だなと思う。今年の夏に西村先生を偲ぶ会をやっと行うことができてほっとした気持ちもあって、余計にそう思うのかもしれない。
こないだ、面接室に置くティシュケースを購入した。以前からどうせ買うならここの店のこの商品でと目をつけていたものがあったのだが、ブナの天然木を使ったものでそれなりの値段はする。どうしようかなと思いながら購入の決断がなかなかつかなかったが、偲ぶ会の後にたまたまこの店のホームページを見たところ、一定期間だけのセールがあることを知った。20%オフの値段になる。それでももちろん安くはないものだが、相談室を3年やってきて、気に入ったティシュケースを買えるぐらい、セールならばと同じようにブナの木でできたごみ箱もついでに買えるぐらいの余裕は出てきた。
やっと3年、これからも長く相談室を続けていきたいと思っている。ちょっとぜいたくをしたけれど、これから長く使うのだから必要なぜいたくだろう。